top of page

いっぴん工房のいっぴんスツールのこと


これはいっぴんスツールです。


僕が工房を開設して一番はじめに作った作品です。一枚板の購入先も知らないから、使う材料は町の建材屋さんです。だから、合板と集成材で作っていました。大きな一枚板を買う経済力も有りません。道具だって手道具とサンダーとジグソーとクランプぐらいなもんです。開設時はまだ良工房さんに勤めていたので仕事が終わってからそれらの道具を袋に入れて毎晩、小淵沢に借りた工房に通っていました。今のキースヘリングの美術館の所です。1年ぐらいはそんな感じでした。平面を出すプレーナーもないから平面の出ている合板や集成材は格好の材料でした。ジグソーで切り出して貼り合わせて厚みをのある塊を作り、鑿で彫って磨いて仕上げていました。端材の合板を重ねて一輪挿しを作ったりしていました。工夫するとなんとかなるもんです。今思うと凄く時間がかかっていました。そんなこんなで出来上がったのがこのいっぴんスツールです。


今、このいっぴんスツールが大ピンチです。材料の合板が無いんです。材の中が問題なんです。表面はきれいなんですが中がひび割れていたりトンネルがあったりすると彫って使うから中が詰まった合板がないといっぴんスツールが作れません。開設時はいい合板が手に入ったんですが今無いんです。昨年、材料屋さんが一山手配してくれたんですが使い切ってしまいました。このいっぴんスツールが一つ有るだけです。材料屋さんもいろいろあたってくれている様ですが良い合板が見つからないらしいです。困ってます。

Comments


bottom of page